【活動レポート】三瀬でのセルフビルディングを見学させていただきました!

山で暮らし始めて少しずつ自分たちの暮らしを作っていくと、次はこれをしたい、次はあれをしたい、、、といろんな妄想が広がっていきます。

例えば、

  • 仕事としては難しいけど、田んぼでお米を作ってみたい
  • 自分の山を持って、木材を活用した家具を作ってみたい
  • 鶏と一緒に暮らして卵を分けてもらいたい
  • 薪ストーブやペレットストーブといった設備を導入して火のある暮らしをしてみたい

その中でも、一番大変だろうけどいつかはチャレンジできたらいいなぁと思っているのは、

『家を作る』

ということ。

現実問題を考えると、自分で家を作るのがどれだけ無謀かということはわかっているのですが、実際家を作るとなったときに、ホームビルダーさんに全部お任せというのはどうにも不安だし、大工さんにお願いするとしてもある程度の知識を持って一緒に家づくりのことを考えていきたいという風に思ったりします。

なので、いつかセルフビルドのことを知るチャンスがあれば、ゆっくりお話を聞いてみたいなぁと思っていました。

実は三瀬高原には、サラリーマンとして働きながら、自分たちで山を切り開いて、自分たちで材料を仕入れて、自分たちで家を建てていらっしゃる方がいます。
先日、TerakoyaCUBEにて、その方にお話を聞く機会を作ることができました。

Terakoya CUBEというのは、私たちがコミュニティカフェ『みつせCUBE』にて毎月開催している定期イベント。三瀬高原で暮らす人々を毎月一人ゲストにお呼びし、それぞれ何を思い、何を感じながら暮らしているかを直に聞いて、自分たちの暮らしに行かしていこう、という勉強会&交流会です。

まずは、実際に作っていらっしゃるお家をご紹介します!

住み始めていらっしゃいますが、実はまだ建設中。

どうでしょうか?とても自分で作ったようには見えないですよね?木材をくみ上げるところから、塗装、内装まですべて自分たちでされていらっしゃいます。

「作っていらっしゃる」と現在進行形にしたのは、まだ完成とは言えないから。
お仕事の合間を縫って10年間ほど作り続けていらっしゃるのですが、玄関やトイレはまだできあがっていなくて、これから作っていく部分なんだそうです。

イベントに参加された方もおっしゃっていましたが、現地を見始めてすぐに、本当に時間も手間もかかることなので、自分で一人ではできそうにないとわかりました。
生半可な気持ちではセルフビルドはできないです。ほんと、想像力が足りなくてすみません、という感じでした。

最初に作った倉庫部分の梁を組むのが一番大変だったとのこと

そうはいっても、全部を自分でやるのは難しくても、一部だけでも自分たちの生活に取り入れることができるはず、ということで、セルフビルドされた際のこだわりについて1つずつお話を伺っていくことにしました。

まずは、山を切り開いて家を作り始めるところまでのこと。
最所は自分でなんとか全部やろうと思っていたそうなのですが、小さな機械で仕事の合間にやっていたので、全く作業が進まなかったそう。
それでもやるしかないと思って、日々作業を続けていたところ、幸運なことに近所の林業従事者の方が手伝いに来てくれて、それ以来どんどん作業が進むようになったとのこと。

山を切り開いた後の、土地の整地についてもそう。近所の土木関係の方が加勢に来てくれて、そのおかげで作業を終えることができたそうです。

やはり、一人でセルフビルドをすると言っても、作業は膨大であまりに大変。
助けてもらえるところは助けてもらいながら作業を進めていくのが大切だとわかりました。
これは山間部で暮らす利点でもあると思うのですが、何かやりたいと思ったときにその道のプロが近くにいることが多いなぁと感じます。

もちろんこんなにたくさん手伝ってもらえたのは、日々積み上げてきた関係性のおかげだと思うのですが、
それぞれの作業を単に業者さんにお願いするのではなく、地元でできることは地元の方にお願いすることによって新しい関係性が生まれ、さらに暮らしが充実していくという心地よい流れを、三瀬高原に暮らすようになって初めて感じるようになりました。。

最初は山を切り開くところから。
整地して、基礎を打って、、、
切り倒した木を木材に加工して、、、
今の倉庫に当たる部分の土台が完成!

次に見学させていただいたのは、これ!

庭先の端っこにある謎の物体。。。

見たことありますか?? 正体は『真空管式太陽熱温水器』でした。
縦に走っているのはすべて真空管で、この中を水が通ると、太陽光エネルギーを利用して水をお湯に変えられる仕組みなんだそう。
ただ、この温水器、実際に導入するとなると業者さんにお願いすることになってそこそこのお値段がかかってしまうとのこと。

そこで、冨永さんは直接中国の業者さんに問い合わせて、自分で直輸入したそう。それによってコスト削減を可能にしてしまいました!!
せっかく自分で家を建てているんだから、極力コストを抑えたいという考えから自分で輸入することを思いついたそうですが、その行動力には脱帽でした。

続いては、こちら。

何の変哲もない空き地のようにも見えます

パット見た感じではただの畑のように見えますが、この土の下には電気も薬剤も使わずに微生物の力で排水を分解する浄化装置が埋め込まれています。
私も詳しく知っているわけではありませんので、詳しくは以下をご覧ください!

『エコロジーコロンブス』ホームぺージ(https://www.ecolon.co/ecolon)より
『エコロジーコロンブス』ホームぺージ(https://www.ecolon.co/ecolon)より

仕組み・構造
屎尿・雑排水を流入管より汚水槽内に流入させ、汚物(汚泥)・トイレットペーパーなどを沈殿させ、嫌気性の微生物等によって「消化分解」させる。一方、汚水槽上部の上澄みを微生物繁殖層に浸透させ浄化し、更にその周りを包む特殊培養土に毛細管サイホン現象によって浸潤させ、土壌微生物による浄化を行います。浄化された水は、土壌や大気に還元され自然界へ帰ります。

『エコロジーコロンブス』ホームぺージ(https://www.ecolon.co/ecolon)より

山間部で暮らしているうちに、豊かな自然環境をできるだけ壊さないようにして暮らしていきたいなぁと思うようになりました。

もちろん現代的な暮らしをしている限り、いろんな面で自然環境に影響を与えているということはわかっているのですが、できるだけ環境をクリーンに保ちたいという気持ちがあります。
下水を含む排水の問題も気になっていて、浄化槽も環境に影響がないと言われているけれども薬剤を使っていますので、100%無害とは言えないと思っています。

そんな中、こういった選択肢があるということを知れただけでもとても勉強になりました。
導入コストのことを考えると手が出づらいかもしれませんが、浄化槽や下水道はランニングコストがかかり続けることを考慮すると、検討する価値はあると思います!

設備の中の水は何も薬品を使ってないとは思えないほど澄んでいました。
田舎暮らしのあこがれ、薪ストーブも導入されていました。

お話を伺いながら感じたのは、冨永さんの人柄の良さ、人を引き付ける魅力。
家を建て続ける中で、たくさんの方が必要な時に必要な部分を手伝ってくれていて、色々な人のおかげですこしずつお家が出来上がっていったんだなぁと感じました。

それは、山を切り開くときだったり、棟上げをするときだったり、新しく何かを設置するときだったり。。。

そして、やり抜く強い意志。
私だったら忙しい合間を縫って、ここまでたどり着けたかなぁと想像したときに、やっぱりできないだろうなぁと思いました。

普通に暮らしていらっしゃるので中々見る機会はないと思いますが、またこういった機会があったら、たくさんの方に見ていただきたいです!

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